カソウスキの行方

カソウスキの行方

カソウスキの行方 津村記久子 ***

郊外の倉庫管理部門に左遷された独身女性・イリエ(28歳)は日々のやりきれなさから逃れるため、同僚の独身男性・森川を好きになったと仮想してみることに…。第138回芥川賞候補作。

仮想好き・・だなんて変わった発想だ。好意を仮想とすることで、客観視しているのかなあ。傷つきたくないから。淡々としていて、自分のことなのにどこか他人事みたいに冷めている主人公だなあと思った。こちらの方が芥川賞受賞作より興味深いし、おもしろいと思う。