僕というベクトル(上) (光文社文庫)

僕というベクトル(上) (光文社文庫)

僕というベクトル・上 白石文朗

山根高志、31歳。学習塾の講師を務めているが、そこに何ら価値も意義も認めていない。高校時代からの友人・馬場の斡旋で“男娼”としても小遣いを稼いでいる。生徒の母親・真弓さん、同僚の恵子、客の京子、テレクラで出会った萌子…。女たちとの情交が一瞬きらめくだけの空疎な日々。自己のみを信じ、愛の不毛を生きる男の内面を斬新に描いた、新世紀の青春文学。

主人公山根高志は、なんという嫌な男なんだろう。ムカムカするのだが、どういうわけか、やめられない。上下巻600ページの大作なので、こういう男も実際にいるんだろうなあと、少しつづ、勉強のつもりで読んでいる。人を信じられなくなりそうだが。。
作中に出てくる、優秀な兄というのは、白石一文氏のことなのか。
まったく不毛な物語なんであるが、その虚無感はわからんでもない。