読書


[rakuten:book:11840900:detail]  
[rakuten:book:11840901:detail]ケッヘル 中山可穂 ****
>>>ケッヘル番号が、わたしをこの世の果てまで連れてゆく。モーツァルトの音楽に取り憑かれた男と、過去の亡霊から逃げ続ける女。出会うはずのない二人の人生が交差した瞬間、狂おしい復讐の幕が上がる。>>>amazonより

上・下巻合わせて800ページ以上、読み応えあり。
いつもの中山可穂の作品とは一味違い、ミステリーの様相を呈している。いつものおどろおどろしい(笑)熱情の恋愛小説の要素が薄まって、それはそれで悪くない。好みの作家の新境地は興味深いものである。
ミステリーとしても、恋愛小説としても少々物足りないという気もするが、登場人物たちのモーツァルトに対する偏執的な愛情がなんともいえずいい。
それほどこだわれるようなものを持ってみたい。ちょっとコワイケド。
その愛情が多分に偏執狂的、病的、妄想的であることを認めつつ、それでも人を愛し続けていくことのできる伽椰子の心の広さというか、鍵人やアンナの家族としての愛情というか、そういうものが最後にじんわりと心に染みた。

ケッヘルを読了後、作品に出てくる音楽を視聴できるようにしてくださっているワルツさんのブログをここにリンクさせていただきます。
http://blog.livedoor.jp/waltz122/archives/50945294.html