読書 

夕子ちゃんの近道

夕子ちゃんの近道

夕子ちゃんの近道 長嶋有 ****

>>>アンティーク店フラココ屋の二階で居候暮らしをはじめた「僕」。どうにも捉えどころのない彼と、のんきでしたたかな店長、大家の八木さん、その二人の孫娘、朝子ちゃんと夕子ちゃん、初代居候の瑞枝さん、相撲好きのフランソワーズら、フラココ屋周辺の面々。その繋がりは、淡彩をかさねるようにして、しだいに深まってゆく。だがやがて、めいめいがめいめい勝手に旅立つときがやってきて―。誰もが必要とする人生の一休みの時間。7つの連作短篇。 >>>amazonより

これはよかった。好きだった。古道具フラココ屋のネーミングに一瞬ひいたが、ま、それはそれで慣れればいい味だしてるかもしれない。登場人物たちののほほんとした雰囲気にとても癒される。
恋愛小説ではないし、なんていうんだろう。。さりげない日常生活を描いた短編小説集とでもいうのだろうか。ほんの人生のひと時。多分にモラトリアム的。
コンシーラが宇宙人の美女の名前で、アイシャドーは悪の軍団。ゲランは怪獣で、ソフィーナは美貌の乗組員、マックスファクターは宇宙船の名前みたいに聞こえるっていうエピソードは好きだった。
(そういわれればそんな気がするから。)
他にもクスッと笑えるような、わたしが考えつかないような意外な視点の話もあっておもしろかった。
ラストの書き下ろし短編「パリの全員」は余分じゃないかなー。ないほうがよかった。