読書

風に舞いあがるビニールシート 森絵都 ****
>>>愛しぬくことも愛されぬくこともできなかった日々を、今日も思っている。大切な何かのために懸命に生きる人たちの、6つの物語。>>>帯より

器を探して/犬の散歩/守護神/鐘の音/ジェネレーションⅩ/風に舞いあがるビニールシート

うーむ。素晴らしい。これは完全にいつもの彼女の児童文学から離れましたね。(彼女の児童文学も好きですが。)深くて濃いです。たくさん取材をして書かれたのでしょう。(参考文献がいっぱい)
仏像修復士の葛藤を描いた「鐘の音」や、国連難民高等弁務官事務所が舞台の夫婦のラブストーリー、「風に舞いあがるビニールシート」の一風変った設定が興味深い。
それだけでなく物語や、底に流れる作者の意図にも魂を揺さぶられる。秀逸。
ううむ。と思わずうなってしまいました。
かというと、「ジェネレーションⅩ」のように、重い話が多い中で、なんとなくほっとさせられるいい話もあるし。
森絵都氏は、この作品で、今期の直木賞候補のようですが、これはきっと受賞するわね。。と、勝手に予感しました。(他の候補作品は読んでないですケドネ。)