「ひなた」吉田修一 ひなた  ****

<<<<新堂レイは、誰もが知っているブランド、Hの広報に就職したばかりの新卒。昨年、元同級生の大路尚純と偶然再会して付き合い始めた。尚純は一浪でまだ学生、文京区小日向の実家に家族と暮らしている。その実家に兄浩一と兄嫁の桂子が引っ越してくるという。兄嫁はファッション誌の副編集長だ。浩一には離婚しそうな友人、田辺がいる。田辺はいつも日曜の午後浩一に電話をかけてきては浩一を連れ出していく…。<<<<amazonより

おもしろかった。あっというまに読めました。
登場人物それぞれの春夏秋冬が、本人たちの視点で描かれていく。
夫婦でも恋人でも親子でも兄弟でも、お互いにさらけだせないものはある。それは自分の身勝手さからであったり、ときには相手を思いやる気持ちからだったりする。
人に嘘をついているとか、自分を偽っているとか、秘密を持っているとか、そういう短絡的で幼稚な話ではなく、人と人のあいだには、適度な距離が必要で、それが相手を尊重することではないかと思う。無関心はダメだけど。
くっついたり、離れたりしてバランスをとって、大事なものを守らなくては。。と思った。