「空の中空の中」 有川浩    *** 

200X年、二度の航空機事故が人類を眠れる秘密と接触させた。「変な生き物ゆうたわね?そやね?」―秘密を拾った子供たち。「お前を事故空域に連れて行く。話は現場を見てからだ」―秘密を探す大人たち。秘密に関わるすべての人が集ったその場所で、最後に救われるのは誰か。“電撃”が切り開く新境地。第10回電撃小説大賞大賞受賞作家・有川浩待望の第2作。<<<<<amazonより


「Sweet Blue Age」の中の、有川浩の短編「くじらの彼」がとても気に入ったので、読んでみた作品。
著者が、あとがきで「怪獣ものと青春もの足しっぱなして空自(航空自衛隊)で和えてる」と書いてますがまさにそんな感じ。普段好んで読むタイプの作品ではないが、なかなかおもしろく読めた。登場人物のキャラクターがよい。軽妙な会話もおもしろい。
空の中の怪獣「白鯨」とのやりとりの中盤がタルく、挫折しそうになりましたが、最後がうまくきれいにまとまっている。ずいぶん常識的で大人らしい大人がたくさん出てきて、いい作品だと思う。とくに宮じいが好きだなあ。