「誰よりも美しい妻誰よりも美しい妻井上荒野 ****

<<<<ヴァイオリニストの夫、そして夫の先妻と若い愛人。息子とその恋人―誰よりも美しい妻を中心に愛の輪舞が始まる。恍惚と不安、愛と孤独のあいだをゆるやかに。<<<<amazonより

誰よりも美しい妻は幸福なのか、不幸なのか。。幸福でもあり不幸でもあると著者は、彼女の愛と孤独を思い、言うのかもしれないが、わたしは不幸だと思う。なぜならば、過ぎたるは及ばざる如しだから。
適当に美しい妻がいちばん幸せなんじゃないのかな。
わたしも妻としてはある程度は美しい方だと自負しているが(もちろん努力をしています。美しくあろうとする努力)妻であると、その努力はむなしいのかもしれませんね。わたしはこのヴァイオリニストの夫がうらやましい。
誰よりも美しい寛容な夫を持ちたいかも。(笑)
作品としてはとてもよくできていると思う。
最近の江国香織作品より上だと思う。
恋愛においての嫉妬心を描かないところが江国作品との共通点だが、井上荒野の作品の方が説得力がある。過ぎたる者だから嫉妬心を知らないのは当然なのかもしれない。そういう人物描写ができていると思う。