廃院のミカエル

廃院のミカエル

廃院のミカエル 篠田節子 ****

商社現地社員の美貴は、ギリシャで口にした蜂蜜にビジネスチャンスを見出し、通訳の綾子や偶然知り合った壁画修復士の吉園とともに産地の村を目指す。だが途中、廃院となった修道院に迷い込んでしまう。独居室の壁に描かれた大天使ミカエルの絵。無人の聖堂に響く祈りの声。逃げるように街に戻った後も次々と奇妙な事件が。綾子の異様なふるまい、相次ぐ村人の死、積み重なる家畜の死骸…。かつて、あの修道院で何が起こったのか

いつもながら安心して読める篠田作品。翻訳本の後なのでさくさく読めて気持ちいい。オカルトミステリーだから怖いといえば怖いのだが。明るさの見えるラストがいい。