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- 作者: 三浦しをん
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2008/11/26
- メディア: 単行本
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天災ですべてを失った中学生の信之。共に生き残った幼なじみの美花を救うため、彼はある行動をとる。二十年後、過去を封印して暮らす信之の前に、もう一人の生き残り・輔が姿を現わす。あの秘密の記憶から、今、新たな黒い影が生まれようとしていた―。
しをんちゃんが大化けしたなあ。いつもの漫画みたいな表現は見受けられないし、終始シリアス。後半の信之の行動はいまいち納得いかないが、信之のような過去を抱えたものは、感情を閉じ込めてしまうことに慣れてしまうのだろうか。絶望的であり、虚無的。
しかし、信之の妻と輔の関係も安直すぎなような気がする。
「死も不幸もただの出来事だ。それらはただ、やってくる。」そう、言い切ってうっそりと笑う信之のはかりしれない心中を、思った。