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- 作者: 村山由佳,久留幸子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2009/01/08
- メディア: 単行本
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奈津・三十五歳、脚本家。尊敬する男に誘われ、家を飛び出す。“外の世界”に出て初めてわかった男の嘘、夫の支配欲、そして抑圧されていた自らの性欲の強さ―。もう後戻りはしない。女としてまだ間に合う間に、この先どれだけ身も心も燃やし尽くせる相手に出会えるだろう。何回、脳みそまで蕩けるセックスができるだろう。そのためなら―そのためだけにでも、誰を裏切ろうが、傷つけようがかまわない。「そのかわり、結果はすべて自分で引き受けてみせる」。
これはすごいなあ。女の人がここまで書いてしまうのね。しかも村山さんだし、びっくり。女性の性欲も、個人差はあるのだろうし、こういうひとがたくさんいるとも思えないのだが、(いや、抑圧されているだけで実際は多いのか?)わからないわけではない。ああこういう気持ちもわかるというところも多々ある。
性描写は適度に生々しく、でもきれいだと思う。
否応なしに体の奥から突き動かされる性欲というのは、残念ながらわたしにはないのだが、こういう女性がいたっていいと思う。がんばって追求してほしいと応援したくなった。