ばかもの

ばかもの

ばかもの  絲山秋子 ****

気ままな大学生と、強気な年上の女。かつての無邪気な恋人たちは、気づけばそれぞれに、取り返しのつかない喪失の中にいた。すべてを失い、行き場をなくした二人が見つけた、ふるえるような愛。生きること、愛することの、激しい痛み。そして官能的なまでの喜び―。絶望の果てに響く、愛しい愚か者たちの声を鮮烈に描き出す、待望の恋愛長篇。

絲山秋子らしくないようで、らしいような恋愛小説だった。
ばかものでいいんだよなあ。変に作って、ちいさく利口でいることに何の意義があるんだろう。そんなのつまらないよ。
最後に主人公が言う、「ばかもの」にはあふれるような眩しい愛を感じた。