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- 作者: 池澤夏樹
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2008/03
- メディア: 単行本
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死と生、愛と憎悪の葛藤のなか、生き延びるために遺された者が自ら選んだ超越体験。
この世ならぬものを心に想った二人の男が、二つの星をめざした短篇集。
「星に降る雪」
岐阜。かつて雪山で起こったあの事件。記憶を封印するかのように、田村は、山奥の観測所にこもり働いている。ある日、亡くなった親友の恋人が訪れ、二人は山に登る。あの時、何があったのか。記憶は、白い闇だ――
「修道院」
クレタ。ふらりと島に現れ、村に住みついた石工。彼は、修道院の修復をしながら、寡黙で質素な生活を送るが、ふとした折に告白する。自分は魂に重い荷を背負っている、と。その夏の日曜の午後、馬車に乗った都会の女が村に現れ――
いいなあ。2編とも、わたしの心の深いところにある琴線に触れる作品だった。
池澤氏の文章や環境設定も、洗練された雰囲気があって素晴らしかった。