日の名残り (ハヤカワepi文庫)

日の名残り (ハヤカワepi文庫)


日の名残り カズオ・イシグロ ***

品格ある執事の道を追求し続けてきたスティーブンスは、短い旅に出た。美しい田園風景の道すがら様々な思い出がよぎる。長年仕えたダーリントン卿への敬慕、執事の鑑だった亡父、女中頭への淡い想い、二つの大戦の間に邸内で催された重要な外交会議の数々―過ぎ去りし思い出は、輝きを増して胸のなかで生き続ける。失われつつある伝統的な英国を描いて世界中で大きな感動を呼んだ英国最高の文学賞ブッカー賞受賞作。

素晴らしいといえば素晴らしいし、つまらないといえばつまらない。
執事という役割に囚われて、親の死に目にも会えないし、恋さえ実らせようとしないストイックで品格ある人生を選んだスティーブンス・・と言ってしまえば、まったくミモフタもないのだが。
失われつつあるものの美しさは、充分堪能できた作品でした。
アンソニー・ホプキンス主演の映画を、是非見てみようと思います。