心に龍をちりばめて

心に龍をちりばめて

心に龍をちりばめて 白石一文 **

自らの美貌をもてあます美帆と、彼女をめぐる二人の男。慈しみ、傷つけ合い、裸の互いを見つめた末に浮かび上がったのは、封印したはずの過去の記憶だった……。出生の秘密、政界への野望、嫉妬と打算に塗れる愛憎、痺れるほどの痴情、そして新しい生命の誕生――。

白石さんの新刊なので楽しみに読んだ。いつもの緻密さとメッセージ性は陰を潜めている。
秀才で美女の美帆のキャラクターが破綻しているような気がした。小説の登場人物としてのこういう経歴の人は、普通こういう行動は取らないだろう。。という場面が多い気がした。先入観かもしれないが。物語としては普通。もっと著者の他の作品のようにドラマチックな小説を期待していたので、ちょっと残念。ラストも唐突すぎると思う。まるでサスペンス劇場みたいなんだもの。