読書

銀色の翼

銀色の翼

銀色の翼 佐川光晴 ***
「痛み」と共に生きる人びと…。主人公が選んだのは、ある女性を全面的に受け入れる「肯定の愛」だった。頭痛に苦しみながら生きている男が、長い時間をかけて、かたくなに過去を隠す妻との愛にたどりつくまで…。リアリズムを徹底的に突きつめた、真実の小説。

「嘘やごまかしが微塵もない奇跡的な作品」と、村上龍が帯で絶賛している。
うーん・・それほどかなあ。最後に、本作品はフィクションです。と、わざわざ断ってあるのも珍しい。小説は基本的にフィクションなのが当たり前でしょう。この作品は、わざわざそうコメントを入れなければならないほど、リアルなのかも。現実感のあるフィクションという意味ではなく、ノンフィクションを読んでいるような地道なリアリティがある。
好みの点でいえば、そんなに好きじゃない。地味で面白みがないし、あまりにもリアルで怖いから。