読書

八日目の蝉

八日目の蝉

八日目の蝉 角田光代 ****
>>>逃げて、逃げて、逃げのびたら、私はあなたの母になれるだろうか−−理性をゆるがす愛があり、罪にもそそぐ光があった。家族という枠組みの意味を探る、著者初めての長篇サスペンス。>>>amazonより

角ちゃんの、初サスペンスということで、心配しつつ、楽しみにしつつ読んだ。
面白かったしうまいと思う。サスペンスとはちょっと違うような気もしたけど、読ませるなー。さすがです。ラストもいい。
不倫相手のこどもを盗んで、逃避行する話なのだが、あんまり嫌な感じはしない。
子を盗まれた母親より、盗んだ女の母性に感情移入してしまう。
こどもを愛し、少しでもいっしょにいたいと願う女を、つい応援したくなるほど。
まあ、盗まれた母親の記述はほとんど出てこないからかもしれないが。
登場する男たちが、まったくしょーもない。
しょうもないので、いてもいなくてもいい。むしろいないほうがいい。
男がいてもいなくても、女は根っから、母なのかもしれない。
母性について、考えさせられる作品だった。