読書

 豊田徹也 ***

>>>ほんとうはすべて知っていた。心の底流(undercurrent)が導く結末を。
夫が失踪し、家業の銭湯も手につかず、途方に暮れる女。やがて銭湯を再開した女を、目立たず語らずひっそりと支える男。穏やかな日々の底で悲劇と喜劇が交差し、出会って離れる人間の、充実感と喪失感が深く流れる。>>>amazonより

>>>以下ネタバレです>>>

コミックスであるが、純文学的。二度目に読んだら単なる病的なうそつきの人の話にしか思えなかったし、わたしはやっぱりハッピーエンドがよかった。失踪するほどの悩みとしているのなら、せっかく再会したにもかかわらず、別れてしまうのが、なんとなく納得がいかなかった。ひっぱたけばいいのに。うちあければいいのに。もっと本音をぶつけあえばいいのに。と欲求不満な気持ちが残った。他人どうしは分かり合えなくてあたりまえだと思うから、さほど目新しいテーマとも感じられなかった。
探偵のキャラが、漫画らしくて面白くて好きだった。