読書
- 作者: 白石一文
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2006/11/15
- メディア: 単行本
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20年後の私へ/たとえ真実を知っても彼は/ダーウィンの法則/どれくらいの愛情
中編小説の連作であるが、一編一編充分な読み応えだった。相変わらず説法じみており、好き嫌いは分かれると思う。
でもわたしが時々感じ、都合によりあんまり肯定したくないこと(たとえば運命とか必然について)を緻密な文章で小説として堂々と肯定し、昇華させてくれているので、読んでいて気持ちがいいのだ。わたしは、間違ってなかったのね。よかった。。という自己肯定感さえ持てる感じ。
あとがきを読んで、これまでの白石作品の集大成といってもいいかもしれないな。と思った。
- 作者: 伊藤たかみ
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2006/07/17
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失われたものへの哀惜にみちた傑作!記憶の中にしかないモノを通して家族のカタチを描き、その哀切さが途切れることなく心を揺さぶる。<<<帯より
ドライブイン蒲生/無花果カレーライス/ジャトーミン
芥川賞受賞作よりよっぽどいいです。心揺さぶられます。
言葉にすると陳腐な感想になりそうでとても書きづらいのですが、自分のこども時代の父や母のことを、回想しつつ、あらためて自分の中の家族の意味を確認していく過程がきわめて客観的に描かれており、それがかえって胸を打つのでありました。