ブルーム・オブ・イエスタディ

ホロコースト研究所に勤めるトト(ラース・アイディンガー)は、ナチス親衛隊の大佐だった祖父を持
ち、一族の罪に真剣に向き合うあまり心はいつも不安定。さらに、2年もかけて企画した“アウシュ
ヴィッツ会議"のリーダーから、外されてしまう。最悪の精神状態で、フランスから来るインターン
のザジ(アデル・エネル)を迎えに行く。到着した彼女は、トトの下で研修できることに感激したのも
束の間、迎えの車がベンツだと知ると、激しく怒り出す。ユダヤ人の祖母が、ベンツのガス・トラッ
クでナチスに殺されたというのだ。トトは猫の目のようにコロコロと気分が変わるザジに唖然とし、
ホロコーストの被害者の孫なのに、何かと歴史を茶化す、ザジの破天荒なユーモアにも我慢ならなか
った。
ある日、会議を欠席すると言いだしたホロコーストの生還者で女優のルビンシュタインを説得する役
目を担った二人。トトはここでも「あの悲劇を分かってない」とお門違いの暴言を吐き、女優を怒ら
せてしまった。帰り道ヤケになってネオナチの屈強な男たちにケンカを売り、返り討ちにされたとこ
ろをザジに助けられるトト。ザジの寝室で手当てを受けていたトトは、目を疑う“ある物"を見つけ
る──。