たかが世界の終わり ***

「もうすぐ死ぬ」と家族に伝えるために、12年ぶりに帰郷する人気作家のルイ。母のマルティーヌは
息子の好きだった料理を用意し、幼い頃に別れた兄を覚えていない妹のシュザンヌは慣れないオシャ
レをして待っていた。浮足立つ二人と違って、素っ気なく迎える兄のアントワーヌ、彼の妻のカトリ
ーヌはルイとは初対面だ。オードブルにメインと、まるでルイが何かを告白するのを恐れるかのよう
に、ひたすら続く意味のない会話。戸惑いながらも、デザートの頃には打ち明けようと決意するルイ
。だが、過熱していく兄の激しい言葉が頂点に達した時、それぞれが隠していた思わぬ感情がほとば
しる――――。