コンビニ人間

コンビニ人間

コンビニ人間 ***

36歳未婚女性、古倉恵子。 大学卒業後も就職せず、コンビニのバイトは18年目。 これまで彼氏なし。 オープン当初からスマイルマート日色駅前店で働き続け、 変わりゆくメンバーを見送りながら、店長は8人目だ。 日々食べるのはコンビニ食、夢の中でもコンビニのレジを打ち、 清潔なコンビニの風景と「いらっしゃいませ!」の掛け声が、 毎日の安らかな眠りをもたらしてくれる。 仕事も家庭もある同窓生たちからどんなに不思議がられても、 完璧なマニュアルの存在するコンビニこそが、 私を世界の正常な「部品」にしてくれる――。 ある日、婚活目的の新入り男性、白羽がやってきて、 そんなコンビニ的生き方は 「恥ずかしくないのか」とつきつけられるが……。 現代の実存を問い、 正常と異常の境目がゆらぐ衝撃のリアリズム小説。