大統領の料理人 ****

片田舎で小さなレストランを営むオルタンス・ラボリがスカウトを受け、連れて来られた新しい勤務先はエリゼ宮
そこはなんとフランス大統領官邸のプライベートキッチンだった。
堅苦しいメニューと規律と縛られた食事スタイル、嫉妬うずまく宮廷料理人たちの中で、
彼女が作り出すのは「美味しい」の本当の意味を追求した料理の数々。
当初、値踏みするような目で遠巻きに眺めていた同僚たちも、いつしか彼女の料理の腕と情熱に刺激され、
彼女のペースに巻き込まれ、やがて、大統領のお皿に食べ残しがなくなってきたある日、
彼女に直接声をかけてきたミッテラン大統領の口から意外な話が飛び出す―。