大統領の執事の涙 ****

綿花畑の奴隷として生まれたセシル・ゲインズは、見習いからホテルのボーイとなり、遂には、ホワイトハウスの執事にスカウトされる。
キューバ危機、ケネディ暗殺、ベトナム戦争・・・
アメリカが大きく揺れ動いていた時代。セシルは、歴史が動く瞬間を、最前で見続けながら、忠実に働き続ける。黒人として、そして、身につけた執事としての誇りを胸に。
そのことに理解を示す妻とは別に、父の仕事を恥じ、国と戦うため、反政府運動に身を投じる長男。
兄とは逆に、国のために戦う事を選び、ベトナムへ志願する次男。
世界の中枢にいながらも、夫であり父であったセシルは、家族と共に、その世界に翻弄されていく。
彼が世界の中心で見たものとは?
そして人生の最後に流した、涙の理由とは―