ハンナ・アーレント ****

誰からも敬愛される高名な哲学者から一転、世界中から激しいバッシングを浴びた女性がいる。
彼女の名はハンナ・アーレント、第2次世界大戦中にナチス強制収容所から脱出し、アメリカへ亡命したドイツ系ユダヤ人。
1960年代初頭、何百万ものユダヤ人を収容所へ移送したナチス戦犯アドルフ・アイヒマンが、逃亡先で逮捕された。
アーレントは、イスラエルで行われた歴史的裁判に立ち会い、ザ・ニューヨーカー誌にレポートを発表、その衝撃的な内容に世論は揺れる…。
「考えることで、人間は強くなる」という信念のもと、世間から激しい非難を浴びて思い悩みながらも、
アイヒマンの<悪の凡庸さ>を主張し続けたアーレント
歴史にその名を刻み、波乱に満ちた人生を実話に基づいて映画化、
半世紀を超えてアーレントが本当に伝えたかった<真実>が、今明かされる─。

みんな「過ちを認めろ」と迫るけど、何が過ちか言えないのよ。

凡庸な悪は根源的な悪とは違うの。

あの悪は極端だけど根源的ではない。

深く、根源的(radikal)なのは善だけ。"