めぐり糸

めぐり糸

めぐり糸 青山七恵  ***

芥川賞作家の新境地。 絡み合う女と男の人生、身を焦がす心情を描いた魂の長編小説。
終戦の年に生まれた〈わたし〉は、東京・九段の花街で育った。家は置屋から芸者 を呼ぶ料亭「八重」であり、母は評判の芸者で、祖母がその雇い主をつとめていた。 客として訪れた父は母と知り合い、わたしが生まれた。小学二年生のとき、わたしは 置屋「鶴ノ家」に住む子・哲治(てつはる)と出会う。 それは、不可思議な運命の糸が織りなす長い物語の始まりだった