プリンセス・トヨトミ ***

大阪全停止。その鍵を握るのは、トヨトミの末裔だった。
このことは誰も知らない。
七月八日の金曜日、午後四時のことである。
大阪が全停止した。
通常の街としての営業活動、商業活動は停止。
地下鉄、バス等の公共機関も運転をやめた。
種々の非合法活動すら、その瞬間、この世から存在を消した。
四百年に渡って封印されてきた扉を開ける重要な鍵となったのは、
東京からやって来た会計検査院の三人の調査官と、
大阪の商店街に生まれ育った二人の少年少女だった―