はるがいったら

はるがいったら

はるがいったら 飛鳥井千砂 ****

気が付けば他人のファッションチェックまでしている、完璧主義者の姉。何事も、そつなくこなすが熱くなれない「いい子」な弟。二人の間に横たわるのは、介護され何とか生きる老いぼれ犬。どこかが行き過ぎで、何かが足りない姉弟の物語。第18回小説すばる新人賞受賞作。

おもしろかった。「はる」とは寝たきりの老犬の名前なのだが、姉弟にとてもだいじにされているところがいいなあと思った。久しぶりに、5年前に死んだうちの老猫クロちゃんの最後のことを思い出した。