酔郷譚

酔郷譚

酔郷譚 倉橋由美子 ****

今なお多くの読者を陶酔させ続ける、孤高の文学者・倉橋由美子が遺した最後の連作小説がついに初単行本化。慧君がかたむける魔酒の向こうに夢幻と幽玄の世界が官能的に交叉する、「よもつひらさか往還」に続く珠玉の綺譚集。


桜花変化/広寒宮の一夜/酔郷探訪/回廊の鬼/黒い雨の夜/春水桃花源/玉中交歓

倉橋由美子氏が亡くなる直前まで執筆されていたのだそう。もう新しい作品は読めないのだなあと寂しい気持ちになる。おなじみの入江氏や恵子さん、彗君が出てきて、まさに幽玄の世界に浸ることができる。