■
- 作者: 吉田修一
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2008/06
- メディア: 単行本
- 購入: 4人 クリック: 31回
- この商品を含むブログ (83件) を見る
きっかけは隣家で起こった幼児殺人事件だった。その偶然が、どこにでもいそうな若夫婦が抱えるとてつもない秘密を暴き出す。取材に訪れた記者が探り当てた、 15年前の"ある事件"。長い歳月を経て、"被害者"と"加害者"を結びつけた残酷すぎる真実とは――。『悪人』を超える純度で、人の心に潜む「業」に迫った長編小説。
これはおもしろかった。「悪人」も素晴らしいと思ったけど、こちらも負けず劣らず。
人の感情なんて残酷だ。単純に善いとか悪いとか、許すとか許さないとか、そういう問題ではないのだ。変わっていくのが常。だからこそ今が大切だし、過去や未来より、今この瞬間の生々しい感情が何より重要なのだと思わせてくれた作品だった。