国家の品格国家の品格 (新潮新書)藤原正彦 ****

ベストセラーですね。読みたいなぁと思っていたら、やはり父が読んでいたので読後、拝借。
藤原先生(お茶の水女子大学理学部教授)はさすがだなあ。いいこと言います!(ってわたしがいうのもなんですが。)すごく説得力があり、思わずそうかー。うんうんと頷きながら読んでしまう。(絶賛すると右寄り?っていわれてしまうんでしょうか。。)
公立小学校で英語を教えると、日本から国際人がいなくなり、小学生からパソコンなんかをいじっていると、将来日本にはパソコンの作れる人材がいなくなって日本は滅んでしまうと憂う著者。
話す手段よりまずは内容!徹底的に読書をして「内容」を固めるべきなんだそうである。(そうかー、やはり読書をさせねば!)
武士道精神に深く帰依する著者は祖国の「情緒と形」を絶賛する。
美しい四季のある国に住む日本人の繊細な感受性はエコロジーや世界平和にさえつながるという結論。(おおげさでなく、たしかにそういう面もあると思う。茶道を長くやっている者としても。)
第三章の、自由、平等、民主主義を疑う の、カルヴァン主義と資本主義の段はたいへんおもしろく興味深く読んだ。
茶道でいう「自由」と、一般的な「自由」とはあきらかに意味が違うのをわたしも知っているし、だいじなことだと常々思っていたからである。
歴史的背景や思想(思想家)や宗教や政治(政治家)など、いろいろな視点から、現代人の自由、平等、民主主義の論理について考察してあって、(論理自体の限界についても。)しかもわかりやすく、興味深かった。あと、金銭至上主義に関しての記述もおもしろかった。
「祖国愛」と「武士道精神」、わたしもこのふたつの言葉に帰依してしまうかもしれません。。。